あいつの心と私の体
「え……」
思わず声を出したけど、私の声じゃない!?
聞いたことのある男の子の声。
「いってぇ……」
うわっ!!
『私』がしゃべった!!
「ん?」
『私』も異変に気付いたらしい。
「あなた……誰?」
「お前こそ誰だよ」
「私はさっきまで松下瑠璃(まつしたるり)だった。」
男の子が「私」なんて、我ながら変だと思う。
でも今はそれどころじゃない。
「なんだ!!瑠璃かぁ!!俺はさっきまで健吾だった!!」
「健吾!?……はぁ~。知らない人じゃなくてよかったぁ……」
「いや、全然よくないだろ…。ていうか、これからどうするんだよ?」