Family!
「ただいまー!やーよーいー」


そう言って抱き着いてきたのは空兄。


「空兄ぃー!!離せー!!」


「寂しかった?」


「別に。そんなに子供じゃねーし」


「俺からしたら、お前は十分、可愛い子供だけどね」


その言葉で、俺は何かがきれた。


『俺からしたら、お前は十分、可愛い子供だけどね』


「ふざけんな!俺は子供じゃねーよ!子供扱いすんのもいいかげんにしろ!」


すると、空兄が真剣な表情で俺を見てきた。


「何?お前、反抗期?」


「だから子供扱いすん


「じゃあお前働けんの?」


俺の言葉を空兄が遮った。


「大人なんだろ?じゃあ、自分で働いて生きていけよ。俺らなんて必要ねぇだろ?」


「……っ!!」


言い返したいけど言い返せない。


だって、空兄が言ってることは事実だから。


「自立できねーくせに、どこが大人なんだよ」


「………ょ」


「は?」


「分かんねーよ!!」


気づけば、俺は家をとびだしてた。


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