Family!
「………勝手にしろよ」


珪兄が俺を睨みながら言った。


俺は怒りと悲しみが混じっていた。


ちょっと期待してた。


珪兄が、止めてくれるかも…って。


でも現実は違う。


珪兄は止めなかった。


むしろ、俺に「勝手にしろ」と言った。


俺は、その場にいられなくて、走って家を出た。







「珪、今のは言いすぎじゃ…」


「いいんだよ。好きにさせとけ」


「でも……」


俺は下唇を噛んだ。


「………俺探してくる」


そう言って、空は、家を出た。


「俺も行ってくる。あっ。お前ら2人は家にいろ。もしかしたら、翔帰ってくるかもしんねーから」


優兄が尋兄と俺に言った。


俺と尋兄はうなづいた。


それを確認すると、優兄は翔を探しに言った。


「……………」


「……………」


しばらく沈黙が続く。


「珪………」


沈黙を破ったのは尋兄だった。


「何………?」


「たしかに、翔の言ってることは間違ってるよ。でも、翔があんなこと言うのって、初めてじゃん?俺ら、いつも、翔に寂しい思いさせてんのかな?」
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