Family!
「……ぅん」


「帰り、一緒に帰ろ♪」


「俺はいいよ」


俺が答えると佑紀が小指を立てて俺の顔に近づけて、


「指切りげんまんしよ?」


って満面の笑顔で言ってきた。


この年で指切りげんまんですか…


大人っぽい佑紀でも、子供っぽい一面があることに驚いた。


俺も小指を絡めようとしたら、龍一が、


「あっ!チャイムなるよ!速く戻ろ!」


時計を見ると、もう少しでチャイムがなる。


「じゃあね。弥生」


「帰り迎えにくるから」


「やーよーいー(泣)昼休みも来るからね!」


「テストの結果教えてね!」


そう言って教室を出ていった高畑兄弟。


出ていったと同時にチャイムがなった。


キーンコーンカーンコーン


みんなが席につく。


「なんで弥生なの!?」


「従兄弟だからって生意気!」


みんなが俺に文句を言う。


「はぁー……」


俺はため息をついた。


すると、


ガラガラー


教室の戸が開いて、先生が入ってきた。


「今からテストを配るからー!順番に取りにきて!」


俺の胸が激しく騒ぎだす。


「鈴木弥生」


先生に呼ばれたので、返事をしていった。


そしてテストを受けとった。
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