鈍感彼女と無口な彼氏


「これはまだまだ使えるの!」


はい!?だってこれ、カイロだよ?もう使えないよ!


「まだ暖かいから大丈夫!」



…はぁ。だから部屋が片付かないんじゃない?



「チラシは捨てなよ」


光がチラシを集めて捨てようとすると、陸くんは慌ててそれを止める。


「ダメダメ!裏に何か書けるでしょ!」




…陸くんって暮らしが大変なのかな?節約のためにこういう事してるのかな?


そう思うとなんだか心が傷む…。


「別に陸は貧しい人じゃないよ。ただそういう性格なだけ」



飛鳥は私の表情から読み取ったのかそう教えてくれた。


…なんだ。心配して損した!



…ってもあんま心配してなかったけど。





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