鈍感彼女と無口な彼氏


あ!そうだ!私たちケーキ買いに来たんじゃん。


「ねぇ、ケーキどこのお店で買う?」


私が尋ねると飛鳥は柔らかく微笑んだ。


「それよりさ、なんか暖かい飲み物でも飲もうか」



…飲み物?


飲む飲むー!飲みたぁい!!


「うん!」


「ちょっと待ってて」



飛鳥はそう言うとお店の中に入って行った。



私は近くにあったベンチに腰掛けた。




っにしても、周りを見渡せばカップルばっかり。


手を繋いだり腕を組んだり、だ、抱き合ったり…。



「……/////」



よ、よく人前で抱き合えるな…。

恥ずかしくないのかね。


私は見ていられなくて下を向いた。





途端、頬に暖かい感触がした。


「どうぞ」


飛鳥が戻ってきて、ホットココアを私の前に差し出した。



「ん?どうしたの?顔赤くない?」


「な、何でもないよ!ココアありがと!」




< 178 / 193 >

この作品をシェア

pagetop