鈍感彼女と無口な彼氏
あ!そうだ!私たちケーキ買いに来たんじゃん。
「ねぇ、ケーキどこのお店で買う?」
私が尋ねると飛鳥は柔らかく微笑んだ。
「それよりさ、なんか暖かい飲み物でも飲もうか」
…飲み物?
飲む飲むー!飲みたぁい!!
「うん!」
「ちょっと待ってて」
飛鳥はそう言うとお店の中に入って行った。
私は近くにあったベンチに腰掛けた。
っにしても、周りを見渡せばカップルばっかり。
手を繋いだり腕を組んだり、だ、抱き合ったり…。
「……/////」
よ、よく人前で抱き合えるな…。
恥ずかしくないのかね。
私は見ていられなくて下を向いた。
途端、頬に暖かい感触がした。
「どうぞ」
飛鳥が戻ってきて、ホットココアを私の前に差し出した。
「ん?どうしたの?顔赤くない?」
「な、何でもないよ!ココアありがと!」