甘すぎる王子様
―――――――――――――‥


『わー!!可愛い♪琴音、アリガトッ!!』


喜ぶももの目の前で、あたしは精一杯の作り笑顔をした。


それしかできなかった。



だって近くで旬樹が
あたしのこと見てるから‥‥



――夕方になって、4人は出かける準備をしている。


『‥琴音は?行かないの?』


旬樹があたしの顔をのぞく。


『あたしたちだけで楽しみましょ♪』


といちごが言う。


『あ‥あたしのことは気にしないで??家で、まったり過ごすから‥さ?』


明るく振る舞っても、すぐに涙が出そうだった。



『‥そっか。じゃ、行ってくんね』


旬樹が冷たかったから。


いちごが何て言おうと、俺の彼女だから。一緒に行くべきだよって、


あの3人の前で言ってほしかった‥‥



言ってほしかったよ‥‥
< 113 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop