甘すぎる王子様
『大名寺さーん?診察ですよ』
看護師の声で、俺は松葉杖をつきながら病室を出た。
『頑張ってね!!旬樹♪』
女はブンブンと手を振って俺に微笑みかけた。
『‥ぉう』
本当になんなんだ、
アイツ‥‥!?
妹のクセして
旬樹~だと!?
‥まぁ、1歳しか変わらないけどさ‥‥
―――『どうだ?体の方は』
医者に聞かれて、
『あ、はいっ、まぁ‥』
と答えた。
『早く琴音さんのことを思い出せるといいね?琴音さん、君が意識不明の時もずっと手を握って見守ってた‥‥僕も、最初妹が彼女?とビックリしたけど‥なんだか納得できそうだよ』
手を握ってた‥‥?
それもずっと??
本当にアイツは‥
俺の彼女なの‥か??