甘すぎる王子様
――――――――――――――‥『でも何やってたの?廃校の前で‥』
俺と琴音は手を繋いで夜中の浜辺を歩いた。
波だけが静かに揺れ、辺りは静かだ。
『‥祈ってたんだょ?明日、肝だめしする時に旬樹があたしのこと‥思い出してくれるかなって‥』
少し恥ずかしそうな顔でうつむく琴音‥。
『そっか‥‥あ、あの映画のラスト‥教えてやろうか?』
『ホラーの?!』
『うん、あのラストは‥ハッピーエンド』
『やっぱり!!』
琴音は繋いだ手をぎゅっとした。
『幽霊を除去して、二人は夕方の浜辺で黄昏るんだ‥。そして愛を誓う』
『愛を?』
『結婚って意味‥』
『素敵っ!!』