不協和音は愛の始まり
【一章】母上様がやって来た
1、バラ色の同棲生活
私の恋人、川畑聖士は盲目のピアニストだ。
12月も半ばとなった最近、通いのヘルパーだった頃に憧れた川畑邸の住み込みでの仕事を、給料なしの三食つきで手に入れた。
つまり…その、これって同棲だ。
それまでも、川畑の気持ちがわかってからは、朝から晩まで川畑と一緒に過ごしていて、家にはお風呂と寝に帰っていたようなものだった。
私の浮かれっぷりを知っている母は、私が半ば強引に(?)川畑邸に1泊した時、
「こうなると思ってたわ」
と電話口で呆れながらも、
「お父さんには上手く言っておくわね」
ヒソヒソ声で許してくれた。
そして
「若いって良いわね、お母さんも思い出すわ…恭子ができる前だから、22年は昔ね…」
もう何度も聞いたお父さんとのなり染め話になりそうだったので、私は慌てて電話を切った。
12月も半ばとなった最近、通いのヘルパーだった頃に憧れた川畑邸の住み込みでの仕事を、給料なしの三食つきで手に入れた。
つまり…その、これって同棲だ。
それまでも、川畑の気持ちがわかってからは、朝から晩まで川畑と一緒に過ごしていて、家にはお風呂と寝に帰っていたようなものだった。
私の浮かれっぷりを知っている母は、私が半ば強引に(?)川畑邸に1泊した時、
「こうなると思ってたわ」
と電話口で呆れながらも、
「お父さんには上手く言っておくわね」
ヒソヒソ声で許してくれた。
そして
「若いって良いわね、お母さんも思い出すわ…恭子ができる前だから、22年は昔ね…」
もう何度も聞いたお父さんとのなり染め話になりそうだったので、私は慌てて電話を切った。