不協和音は愛の始まり
今日は授業に身が入らなかった。

一緒に暮らせなくたって、恋人である事には変わりはずなのに、いつの間にか欲張りになっていた。

気持ちを伝えられずに居た頃は、例え仕事でも大好きな川畑と一緒に居られるだけで嬉しくて、他に何も要らないと思っていたのに…

ふと、こういう喪失感を前にも味わった事があるのを思い出した。
子供の頃に好きだった、駄菓子屋さんの棒アイス。
それが、友達の家でおやつに出してくれた高級アイスの味を知った後では、美味しく感じなくなってしまった時の気持ち…
棒アイスの味は変わらないはずなのに、贅沢を覚えたら小さな喜びを失ってしまったのだ。
うん、これ、名付けてアイスの法則。

< 13 / 57 >

この作品をシェア

pagetop