不協和音は愛の始まり
私は家で一人になりたい時や泣きたい時には、よくお風呂に篭る。
最近は川畑邸で、一人の時がなかったから…その、川畑と一緒に入ったりしてたから、そんな事忘れていた。

温かいお湯に浸かり、ゆっくりと考える時間を持つと、はりつめていた気持ちまでほぐされるようだった。

私は半年ほど前に、やはりこうして川畑邸を飛び出して来た時の事を思い出した。
あの頃はまだ仕事のヘルパーと依頼人だけの関係で恋人ではなかったけれど、川畑の気持ちがわからなくて落ち込んだのだった。
そして川畑を一人にしてしまった間に起きた事故…。

もしあの時、川畑が死ぬような事になれば、私は一生後悔していただろう。

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