不協和音は愛の始まり
昨日まで綺麗に片付いていたリビングは見るも無惨になっていた。

リビングテーブルに散乱した食べかけのピザとチキンの骨。ワイングラスが2つと、空のワインボトル。
床にもワインボトルが1本転がっていて、絨毯に小さな染みを作っている。

それよりなにより、L字型になっているリビングのソファーに、昨日と同じ服装のままの川畑のお母さんが、横向きで窮屈そうに縮めた足を抱えるようにして眠っていた。
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