不協和音は愛の始まり
「は…ぃ」
これ以外私に何が言えただろうか。

「そうか…合唱部の打ち合わせをしておこうと思っていたんだが…」
川畑が言って、私はハッとした。
それは確かに、近い内にやろうと話していた事で、やましい事を考えていた私は恥ずかしくなって俯いた。

「恭子ちゃんにも何か買ってあげるから、ね。せいちゃん、タクシー呼んで」

言い出したら聞きそうもないお母さんに、川畑が重い腰を上げた。

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