君の好きな言葉
私は怖くなった
あの家で
あの藤波家で

私は私でいいのか
ただの一般家庭の一人娘だ
そんなのが会社重役息子の嫁でいいのか
いいわけがない…

電車に揺られそんなことを考えていると

ブーブー

携帯をひらくと
 「どうした?急に居なくなるから」

ピピッピピ

 「なんでもないよ?なんか具合が悪くて、ごめんね?なんも言わずに帰って」

ブッーブッー

 「うそつくな、俺も今帰る」

彼は鋭い、私のゆれをすぐに見抜く

彼は30分もしないうちに帰ってきた
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