君の好きな言葉
彼と二人で②
ピンポーン

彼は急いでる風でもなく、ソファーで膝を抱えていた私の手をとって言った

 なんで帰った?
 ……

顔を伏せて黙っていると、頬をグイッと挟まれて

 黙ってたらわかんないだろ?楓はなんでも抱え込むけど、俺たちは二人いるんだから、さ
 …わかんなくなったの、燈吾さんの親戚は私があの場所にいても誰も見てくれなかった

存在を否定されているような空気

 まあ…わかんなくもないけどさ、そこで逃げたら駄目だろ
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