机-キミに贈ったメッセージ-
最後の日。
私の名前は坂居りこ。
あの人は滝田しゅん。
私たちが今日まで通ったこの学校は、『東第一小学校』通称:あず小は、全学年が1クラスずつしかないめずらしい学校。
だから、彼とは6年間同じクラスだった。
彼と頻繁に話すようになったのは6年になってからで、彼を好きになった私としては、話さなかった5年間はもったいなかったと思う。
卒業が近付くにつれて、悩みはじめた来年の事。
去年卒業した先輩達も居るために、イジメを恐れる女子も多かった。
でも私はそんな事よりも、しゅんとクラスが変わってしまう方が、辛かった。
神様に頼んでたんだ。
『杏(親友)と離れてもいいからしゅんとだけは同じクラスにして下さい。』
って泣きながら毎日のように。
こんな事で願いが叶うなんて本気で思ってたわけじゃない。
でも、やれる事はやらないと損すると思ったんだ。
そして、来てしまった卒業式。
この時はまだ知らなかった。
あんな事になるなんて。