恋しくてさけぶと、


放課後、保健室で眠るようになって早二週間。



「とにかく、ここで眠るな。家に帰れ!」


「……だって」


「あ゛?」


「……すみませんデシタ」


ワザとらしく目をそらしてささやかな反抗を見せた。


別に家になにか問題があるわけじゃない。

むしろ何もないのだ。






冬って当然のごとく真っ暗じゃない?

うちの両親は共働きなわけさ。

こわいんよ。

そんな家でひとり眠るのは……!







特に部活動に入っているわけでもなく、友達と遊ぶにしたって毎日とはいかない。しかも最近寒いから、みんな早くおうちに帰りたいみたいでかまってもらえないんです。


でもそんな恥ずかしい理由が言えますか?!

この性悪保険医にっ!




「ほーらっ、さっさと帰れ。」



だからこんなやり取りがここ最近は毎日のように続いている


「はーい」


「暗いから一応気をつけろよー」



でもこの保険医は意外と優しいのだ。


今のセリフとか結構ポイント高いんじゃないじゃないだろうか。

今は18時をちょっと過ぎたところで丁度文化部の子たちがこぞって下校していく時間。
暗い道もたくさん人がいれば危ない度下がるよね。


あと、眠る私を発見してから一時間は眠らせてくれる。

知ってるよ、先生。





いつもありがと。


好きな部類の大人だよ。





























< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

F
セリー/著

総文字数/2,117

青春・友情7ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop