ひとつ屋根のした?

「・・・・・・・ゆ、う?おっおとこ?」

目の前のカンナは呆然としたように呟く。
そりゃあそうだ。
女子寮に胸が全くない、男がいるんだから驚くのも仕方がない。



カンナの顔を見ていると、みるみるうちに状況を判断したようだ。
まずい。
叫ばれたら一貫の終わりだ。


「おっおとっ・・・フガっ」


叫ぼうとするカンナの口を慌てて右手で塞ぎ、左手でカンナの右手を掴む。
やっば。女の子って柔らかい。マシュマロみたい。カンナの腕は、折れそうなほど細かった。

カンナの体に触れた瞬間、カンナは動くのをピタッと止めた。





・・・・・てこれ、逆効果じゃないか。
こんなの自分で自分のことを怪しいですと宣伝するようなことだ。


「待って!!待って、話せばわかるから!!話せば!!」
って俺結局、怪しすぎだろ。


ヤバい、本当にヤバい。




< 10 / 77 >

この作品をシェア

pagetop