ひとつ屋根のした?
瞬間、俺は脳で考えるより先に土下座をしていた。


大きく音がして、耳に入ったカンナが振り返る。


考えるより先に土下座って何だか情けない。


「ちょっと、あなた何して」


「お願いだ。

どうしても家には帰れないんだ。
どうか後生だから学校側には俺が男だって知らせないでくれないか。」



「おっ男なんだから男子寮に行けばいいじゃないっ。
というかっそれが、正しいことでしょう。」


しゃべる口調が乱れていることから、カンナは動揺しているみたいだ。
いきなり土下座なんてされたら誰だって動揺するか。

「男子寮に行くってことは、家に連れ戻されるってことなんだよ。
どうしてもあの家には戻れないんだ。
カンナには指一本触れないし何もしない。
だからどうかバラさないでくれ。」

土下座の体制のままでもう一度頭を下げる。


「・・・・・・・・。」

考えているみたいだ。
どうかお願いだから、置いてくれ。
なんでもするから。


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