ひとつ屋根のした?
しばらくぼうっとしていると、教室がざわざわと騒ぎ出した。特に、女の子特有の甲高い声がやたらに聞こえる。
何だろう。
もしかして、
気になって、振り返り、騒がしいほうへ向いてみると、案の定あの人がいた。
背は高く、顔は造形が整っていて美少年と美青年の間であるだろう成長途中の面立ち、しかもサッカー部のキャプテンといういかにも女の子が騒ぎそうな要素満載。
「はるちゃん」
日野陽也。
私がはるちゃんに気づいたのを見ると、こっちにおいでという風に手招きした。
クラスの女の子たちは、何で私とはるちゃんが知り合いなのかと騒ぎ出した。
「どうしたの。」
「ここじゃちょっとうるさいから、カンナ、向こうへ行こう。」