ひとつ屋根のした?


つれてこられたのは、これまた人気のない校舎裏だった。

「はるちゃん、どうしたの?」

はるちゃんはにっこり笑っていった。
「カンナが友達が出来なくて泣いてないかと思って。」
「失礼な。私だって友達くらい出来たわよ。」
友達って言っても、女装少年だけど。


「そうなんだ。カンナ、人見知りだからてっきりまだ出来ていないと思ってた。」

「もう、失礼なんだから。
はるちゃんは、私に友達が出来たか確認するためにわざわざ一年の教室まで来たの?」
暗に、何しに来たのといってみる。

「あと、牽制。」
「牽制?」
「俺らが、付き合っているって多くの人が知ったほうがいいだろう?だから、あえて人の多い昼休みに来たんだ。」

「でも、恥ずかしいわよ。帰ったら絶対にクラスの女の子たちから質問攻めに会う。」
それはもう、根掘り葉掘り聞かれるだろう。

手を頭の裏に持っていった。これは困ったときのはるちゃんの癖だ。
きっと、この後は話題を変えてくる。

「どう?もう寮生活に離れた?同室はどんな子?」

同室の子は、女装してる美少女ですなんて言えないしな。
「だいぶもう、寮にもなれたわ。それに、同室はとってもいい子よ。
学校でも仲良くしてる。」

「そっか、よかった。」



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