ひとつ屋根のした?
はるちゃんから色々と質問をされているうちに、予鈴が鳴ったので、急いで教室に戻る。
一年の教室は校舎の一階だからすぐに戻れるけれど、三年生の校舎は三階にもかかわらず、私の三倍は遅い足取りで教室へ帰っていったはるちゃんは次の授業に間に合うのだろうか。

教室へ帰ると案の定、待ち構えていた女の子たちが、
「紫院堂さん、何で日野先輩と知り合いなの?」
「もしかして、二人は付き合ってるの?」
なんてお約束道理の質問の嵐だった。
「幼馴染。」
「付き合ってる。」
と適当に返しておいたが、彼女らは納得しただろうか。


「カンナ、三年生の日野陽也先輩と付き合ってるんだ。」

席へ戻ると前に座ってきた立高木綿が意地悪な顔をしていって来た。
立高木綿信者の皆様。これが、本性ですよ。

「そうだったら悪いの?」

「いや。カンナが出て行った後に教室に帰ってきたら、男子も女子も大騒ぎだったんだから。」



「何で男も騒ぐの?」
「男ってもうちょい言い方あるだろう。」
「別にいいでしょう。それで、何で男が騒いだの。」
「そりゃ、カンナにあこがれてたからだろ。美少女だって言っていろんな人が見に来てたりするし。」


「ふーん。」


本鈴がなって、五時間目が始まる。
お昼後の古典なんて、眠りを誘うけれど、喝を入れて教師の眠りに誘う呪文のような解説に集中した。




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