ひとつ屋根のした?
夜七時、私は一日を決められてスケジュールに沿って動きたいタイプだから、この時間は勉強を始める時間。
一日三時間の予習、復習。これを欠かす事は出来ない。

机へ向かい、勉強を始めようとする私に向かって、
「カンナはまじめだねえ。毎日ちゃんと勉強して。」
と木綿が感心したように言ってきた。

寮で木綿がいる生活にもなれ、というか見慣れたらまったく男に見えなくて、私も下手にクラスの女の子と一緒になるよりはよかったのかななんて思ってる。


「学生なんだから勉強するのは当たり前でしょう。
あんたもちょっとは勉強しなさいよ。家に連絡が行くわよ。」

そう、この星華学園では、月に一回保護者に、子供の素行や授業態度、テストの結果などと言った情報の報告書が送られる。
あまりにも、成績や素行が悪い場合には親が呼び出される。

「俺は、上手くやっているからいいんだよ。」

確かに、あれだけ上手に、ぼろを出さず女の子を演じられるのだから、それなりに要領がいいのかもしれない。


「確かに、そんな感じ。
じゃあ、私勉強するから、テレビ見るならイヤホンでお願いね。」
そういって、耳栓をつけて勉強机に向かう。
これも、一緒に生活するようになって出来たルール。


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