ひとつ屋根のした?
昨日、結構遅くまで勉強をしていたから寝不足で眠い。
「ねえねえ、」
クラスの女の子が珍しく話しかけてきた。眠いのに。
「なに?」
そういうと、その女の子は好奇心いっぱいの、自分が気になった事は追求するのが唯一正しい道だと信じているような、うわさ好きな女の子独特の目をしていた。
なんだかすごくいやな予感がする。
女の子が口を開く。
「紫院堂さんのお母さんって、紫院堂長津さんなんでしょ?」
予感的中。
声が大きすぎて、周りにいた人にも聞こえていたみたいだ。
「紫院堂長津ってあの女優の?」
「えーマジ?」
「でも、確かに似てるよね。紫院堂さんと紫院堂長津。」
「っていうかよく見たらそっくりだよね。これで他人って方がおかしいよね。」
最悪。
ここではばれる予定はなかったのに。
誰も私のことを知らない場所までせっかく来たのに、こんなに早くばれるなんて。