ひとつ屋根のした?
「・・・・・・・・・・」
私が何も言えずにただ黙って下を向いていると、立高木綿がやってきて言った。
いつもの優しい口調ではあるけれど、どこか強さを持った声で。

「誰にだって、触れられたくない事はあるでしょう、答えないってことは触れてほしくないのよ。」

「紫院堂さんそうなの?」

「うん。ごめんなさい。その質問は、答えたくない。」

びっくりした。まさか、木綿がそんなこといってくれるなんて思わなかったから。
私が困っているのに気がついてくれたのだろうか。

ごめんねーなんていいながら、私の席の周りを囲んでいた、女の子の大群はバッファローの大移動さながら、グループごとに元々いた席まで移動して、話を始めた。

向こうでも、私の話題なのかもしれないけれど、ほっとした。





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