ひとつ屋根のした?
三話 卯月の暮れ

友達

四月も終りが近づき、俺とカンナにも友達が出来た。よかったよかった。
安川ひとみと吉本緑。
安川ひとみの方は、少しつり目気味の目が猫のようで、雰囲気は甘い。同学年に双子の兄がいるらしい。話し方や態度などに悪意は全くなくて、天真爛漫を絵に描いたような女の子だ。

吉本緑は、高校一年生とは思えないくらいの落ち着いた雰囲気で、切れ長の目が特徴的な容姿は、妖艶と言う言葉がぴったりだと思う。実際はあんまり落ち着いてないんだけど、見た目はね。

俺らは、みんなちょっとクラスでは浮いていて、あまりもの四人が仲良くなったと言っても言いすぎじゃないと思う。

ちなみに、ひとみと緑は寮で同室だから仲良くなったそうだ。


一ヶ月弱女のふりをしているわけだけど、なんていうか、自分で言うのもなんだけど、俺、大フィーバーだ。
男のとき、つまり中学校のときは、顔が女顔だといって男扱いをされていなかった俺だけど、女としてならモテモテだ。
一日一回は、見知らぬ男子から声をかけられるし、三日に一回は告白をされる。


まあ、つまり、全くうれしくないんだけどね。
男が男に告白されても。

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