ひとつ屋根のした?
ちなみに、私の誕生日に両親二人が揃ったことなんて一度だってない。
お母さんは女優、お父さんは弁護士と二人とも多忙なせいもあるけど。

私の六歳下の妹のアヤメはいつも祝ってくれていたのに。

「ごめんなさい。アヤメは?今家にいるの?」

『アヤメは今友達と図書館に勉強に行っている。』

「そっか。後で、アヤメに電話して謝っておく。他に何か用はあるの?」
我ながら可愛いげがない。
『いや、ない。』

「じゃあ、切るね。
ばいばい。」

『ああ、お前も勉強頑張って。
じゃあ、また電話する。』

電話を切ると、どっと疲れた。
いつもそう。お父さんとお母さんと話すと疲れる。

私が可愛いげがないせいだって分かってる。けれど、後に残るのは、やるせない虚脱感。

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