ひとつ屋根のした?
「どいてもらえます。」
男を睨みつける様に見て言った。出来る限り冷たく言ったつもりだ。
「君、紫院堂長津に似てるね。名前なんていうかいい加減教えてよ。」
男は全くひるんでなかった。やはり、私みたいな『女』が凄んでも怖くないのだろうか。これが男と女の違いというものなのだろうか。

大体、いい加減って何。
「木綿、もう帰るよ。」
「彼氏とかいるの?まあいても気にしないけどー」
そう言って、男が手を伸ばしてきた。

男のごつごつとした汚ならしい手が私の腕に伸びる。





嫌。



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