ひとつ屋根のした?
「木綿、手どけて。」
そう言って、木綿の手を払い後ろへ押す。

「え・・・?カンナ?」

「やっと俺らと遊ぶ気になったんだー」
と勘違いをした男が、私の方へもう一方の手を伸ばしてきた。


今だ。

「いででででで!!痛い、痛い!!」
男の手を払い、腕を締め上げた。

合気道の先生から習った護身術だ。

男が叫び出すと、さっきまで見て見ぬふりをしていた周りの人々が、ざわざわと騒ぎ出した。


「痛い!!ギブ!!ギブアップ!!」
男は涙目になり言った。
体を解放してやると、周りの注目がさすがに恥ずかしかったのか、そそくさと逃げていった。

「わっ私たちも早く行くわよ。」
注目が恥ずかしくなり、急ぎ足でそこから立ち去った。
何故か、木綿の顔を見ることが出来ず、背を向けたまま、偉そうな言葉が口から飛び出していた。




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