ひとつ屋根のした?
「あのね、私とはるちゃんは別に付き合っているわけじゃないの。」
それを聞いた木綿は目を丸くする。
そりゃあそうだ。私とはるちゃんは、仲良しカップルとして、きっと全校生徒知らない人はいないのではないかというくらい有名になっていた。
休み時間になると一日に何回もはるちゃんは、私の教室に遊びに来るし、登下校も出来る限り一緒にしている。
私達は、限りなく『付き合っている』様に見えている筈だ。

「は?」
木綿の口から出てきたのは、なんとも間抜けな回答だった。

「だから、私とはるちゃんは付き合ってないの。ただの幼馴染よ。」
観覧車が静かに、頂点に達しようとしていた。

「うそ、だってあんなに仲が良いじゃないか。」
「あれは、全て演技なの。
なんていうか、私は『男』性が好きじゃないの。でも、結構中学校の頃から私告白とかされてて、それがすごくいやだったの。
はるちゃんもすごくもててたけど、学校外に彼女がいるから、そういうのがわずらわしかったのね。」
敢えて、『男』性と言ったのは、何故だか、木綿に『男』と言うのを聞かれたくないという気持ちが湧いたからだ。
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