ひとつ屋根のした?

「・・・出席番号三番植木太郎は四番江口大輔と同室だ。出席番号五番の・・・・」

どうやら、部屋は出席番号順に振り分けられるらしい。
あまり、うるさそうな女子とならなければいいけれど。


「十五番紫院堂カンナは十七番立高木綿と同室。」


担任がそういった瞬間、出席番号順で座っている席の前の前に座っているカンナがこっちを向いて笑って口ぱくで
「やったね。」

と言った。

「よろしく。」
と返しておく。



最初のHRが終り、寮に皆帰りだした。
女子の大半は、すでに出来上がったグループで誰が格好良かったなんて話をしながら、かえっていく。

カンナは、HRが終わると真っ先に出て行ってしまった。
いくら友達だからと言って、必要以上にべたべたする気はないらしい。


目で行方を追っていくと、昇降口とは別の方向へ歩いている。
カンナ見たさに今日登校している入学式の係りの上級生が集まっているのを全く無視してカンナは進んでいく。

あの方向は、二三年生の教室?
二三年生に知り合いでもいるのか?



まあ、いい。
しばらく帰ってこないなら好都合。
急いで帰ってやらなければいけないことがある。





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