ひとつ屋根のした?
「カンナ、一位おめでとう。
木綿ちゃんも。」
そう言う方を見ると日野陽也がにこやかな顔で手を降っていた。
さらりと制服を着こなした姿はいつにもまして爽やかな好青年な感じを醸し出している。
その姿を確認するとカンナは顔を綻ばせ、言った。
「はるちゃん!ありがとう。」

「カンナ頑張ったな。偉い、偉い。」
日野陽也はそんなことを言いながらカンナの頭を撫でる。
俺のときと、なんだかえらい差じゃないか。

カンナと日野陽也は付き合ってはないらしい。
カンナは、二人の関係と言うのは兄妹のそれだと言うのだ。
確かによくよく見てみると、二人の間に確かな信頼関係があるのが分かる。
そうでないなら、カンナが簡単に自分の体に触らせるわけがない。

「子供扱いしないでよね。」
そう言ってカンナは、日野陽也の手を払った。
日野陽也と一緒に居るときのカンナは、張り詰めたものがない、でも自然体と言うにはどこか甘えが入っている。
言うならば、家族といるときのそれだ。
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