ひとつ屋根のした?
「で、どういうつもりなんだよ。」

人気のない体育館裏。HRが終わるとすぐにこいつを引っ張って来た。そう言えばここは前に日野陽也に連れてこられた場所と一緒だ。
人間秘密の話をしたいときは、こういう人気のない場所へ来てしまうのかも。

五月の爽やかな風が木の葉を舞わせ、スカートを巻き上げようとする。
スカートの中身が露出しないよう裾を手で押さえる。
女装し始めてから学んだことだ。

「ぷっ」
透が笑い出した。
「なっなんだよ!」
「あははははは」

「笑うな!バカ!」

苦しそうに腹を抱えて笑っている。
「はっははぁ。
マジで女じゃん。」

「悪いかよ。」
透はもう一度俺を一瞥して
「ぷっ」
と笑った。イラつくなあ。

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