ひとつ屋根のした？

「もう少しで文化祭だね！」
ひとみが満面の笑みで言う。

「文化祭？」
「あら、カンナ知らなかったの？
光華祭って言って期末試験前に行われるのよ。」

天使のように微笑んだ木綿が言う。
周りの男子がそんな木綿を見て顔を赤らめている。この人たち木綿が男だと気がついたらどんな反応をするのだろうか。


「各クラスで何か文化的な出し物を出すのよ。」
・・・・文化的？

まあ、どっちにしろ、めんどくさいものじゃないといい。
「後夜祭では男女一組になってフォークダンスを踊るのよ。」

「男子が好きな女子に申し込むの！
ひとみも今日知らない男子に申し込まれたよ。断ったけど。
緑ちゃんも申し込まれてたよね。」

「・・・・うん。ひとみと同じで断ったけど。」
ぼんやり廊下を見ていた緑がいきなり話をふられて少し戸惑ったように言う。
緑はただぼうっと外を眺めているだけなのにも関わらず、艶かしい様な雰囲気を醸し出している。
女の子と言うより女性。世の女性達が憧れるであろうその姿は、あまり自分の容姿に興味の無い私から見ても羨ましく見える。



フォークダンスか。
嫌だな。そんな行事、誰が考えたんだろう。