恋スル目線


気付いた時にはゴールのテープを切っていた。


後から英司に聞いたんだけど,俺以外のアンカーはみんな陸上部のヤツだったらしい……。


俺ってすごいかも……。

なんて思ってみる。(笑)

テンションも最高潮に上がった。



とりあえず,今は1番に佐野に会って"ありがとう"って言いたい。


だって,俺が頑張れたのは佐野のおかげだから。


──────……



「あっ!!ハルっ!!
おめでとう!!すっごく速くてびっくりしたよ!!私,感動しちゃったもん!!」


佐野…すっげ〜興奮してる。

可愛いなあ。(笑)



「あはは。大ゲサだなぁ。」


俺はかっこつけて冷静を装った。


「そんなコトないよっ!!本当にすごかったよっ!!」


「まぁ,俺が頑張れたのは佐野のおかげだけどな。」


あんまり佐野が褒めてくれるから……つい口が滑って柄にも無いことを言ってしまった。


「…えっ?私のおかげ??」


あ〜…佐野天然だったんだ。


「……だって,佐野がでっけ〜声で応援してくれたからさ。アレすっげー嬉しくて……だから頑張れた。
………ありがとな。」


……言ってしまった。


めっちゃくちゃ恥ずかしい…。


でも…お礼…ちゃんと言えて良かった。



だって……俺が走れたのは佐野のおかげだもんな。


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