恋スル目線
「ってか,俺の走りそんなにすごかったのか〜。……もしかして佐野,俺に惚れちゃった??」
調子にのって自分でもびっくりするようなことを言ってしまった。……ってか,口が勝手にしゃべってた。
自分で言っといて恥ずかしくなってきた。
佐野も困ったのか言葉につまっている。
「な〜んて,あり得ねぇ〜よな〜。」
俺はこの空気を変えるために必死で冗談っぽく言った。
今できる限界の作り笑をしながら……。
「いやっ!!すごくかっこよかった…で…す。」
真っ赤になりながら佐野が言う。
……………っ!!!
まさか,そんな事言われるなんて想像もしてなかったから……。
びっくりした……。
ちょっと待ってくれ。
これは少し期待してもいいって事なのか……??
俺はだんだん嬉しくなってくると同時に恥ずかしくなった。
俺の勘違い,早とちりかもしれない……
だけど,少しでも……
ほんの少しだけでも…
佐野が俺を意識してくれてるって…思ってもいいのか??
「……ありがとうです。」
俺はそれ以上言葉が出てこなかった……。