死生系譜






…警察の調べによると、桐子と同じ様な事件が最近起きている。と




ここ最近失踪事件が彼女の前後に5件発生しており、何やら深刻な事件への関与がある可能性が高い。と警察は見込んでいるらしい。が、現状は現場がある程度絞られている。という事以外有力な情報もない状態で全くのお手上げ―巡回の強化や聞き込みくらいしか出来ていない―らしい



全く、面倒な事が起きてるな…翔の親父さんも大変だ。などと聞いている時は思っていたが…


「…それで?」

コイツならー心配だから探してあげようよーとか言いそうで怖い。

昔っからそれでどれだけ俺らを引っ張りまわしてるか…おまけに最後に怒られるのは俺らだし

「それで?って…心配じゃないの?」


ほらきた。全く、この性格はどうにかならんのかね


「キョウ、恵子はこう言ってるがどうなんだ?」


などと思っていると突然背後から声がした

多少、驚いたがコイツー小村翔(コムラ ショウ)ーは毎回の事なのでゆっくりと、振り返った


「心配したところで桐子ってのが戻ってくる訳でも無いんだし、警察も動いてんだろ?俺らがどうこうできるもんじゃねぇだろ」

「そうなんだけど…」


自分で言うのも何だが、直情的な俺にこんな事を言われ何と返せば良いか恵子が困っている時に丁度始業を告げるチャイムが響いた

「と、授業始まるな。俺は戻るから」

「私も戻らなきゃ」

後ろの席へと戻る翔、そして2つ前の席へと移る恵子

そうして、退屈な授業が始まった



俺の頭の中には眠気が綺麗さっぱりと何処かへ行ってしまい、先ほどの会話の事が離れなかった…
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