死生系譜
「先輩、今はわかりませんよ…今出来る事をしましょうよ」

今まで黙っていた恵子が宥める様な口調で、しかし確実に急かしている。

俺はそんな様子を横目で見ながら、地図の一点を指した。

あの、ゲームセンターを。

「そうだな。とりあえず、俺らが見た地点からこっちの方向に行ったから」

直美は真っ直ぐに南へと向かっていた。

「俺が見たのは此処でこっちに走って行ったから」

こちらはほぼ南西へと向かっていた。

「この直線状に交わる点は…」

定規を使い、両方に真っ直ぐ線を引いていく。

そして、その交わった点は…
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