死生系譜
そして



直美に近づいてゆくにつれ、俺らは危険に近づくという事だ。





それは、底なし沼に少しずつ、だが確実に足元から沈んで行く様な物だ。




それが沼ではなく恐怖というだけで。



「…行こう?」

これ以上黙っているとその恐怖に押し潰されてしまう感覚に耐え切れなくなったのだろう。恵子がすがる様に言葉を発した。

「そうだな、今は行動あるのみだ」

先輩の言葉が終わると同時に俺らは残りの昼食を流し込み、店を後にした。











< 106 / 154 >

この作品をシェア

pagetop