死生系譜
“これ以上進めば命は無い”と…



「…こんなところで立ち止まってなんか居られないよ。探そう?」

俺の横まで歩いて来た恵子だが、同じ様に恐怖心が増してきたのか小刻みに震えている。が、それでもなお直美の事を考えている。

それほどの絆なのだ。

俺はそう思考が達したのと同時に再度思った。

“俺と同じ悲しみは味合わせない”

この事件では…


などと気持ちを再確認していると、おい。と先輩が俺の肩を小突いた。

その視線の先を追って見ると。

「来た…か。って事はここで決まりのようだな」

翔達が居た。

藤原はゆっくりと紫煙を出しながら安堵の表情を浮かべていた。
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