死生系譜
そして、何故その人と断定したのかを聞いたところ…

「少し、様子がね」

瑠菜は俯き気味で続けた。

「下を向いてうわ言みたいな事をつぶやいていたの」

信号も見ないで、だよ?ありえない。と付け加えた。

「今の状況がもうありえないから多少なら驚かないけど…」





――あれは驚くってよりも気味が悪かった。

海へと視線を向け、そう言っていた。
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