死生系譜





もうどれくらい歩いたのか、ふと時計を見ると5時を回っていた。

夕焼けが見えて来た頃、少し先は砂浜になっていた。


人影は無く、鳥も見当たらなかった。

何も無さ過ぎて気味が悪い…

「夏になったら…皆でまた海に行きたいね」

そう言って微笑んだ瑠菜は悲しみの色に染まっていた気がした。

こんな状況では無理も無いだろうが、俺には何かが引っかかった。

何かはわからない。だが今の瑠菜は何かおかしい。

そう思わずにはいられなかった。
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