死生系譜




「先生、お話と言うのは?」

恭平さんは落ち着いていた。

昨日、翔が帰っていない理由を俺らが知っている事を見透かした様な視線を向けて…。

「その事なんですけど…」

藤原よりも先に俺が口を開いた。

「…あの事件、恭平さんが捜査担当ですよね?」

そう。あの日…集会があった日に翔が言っていた事を確認することにした。

「あぁ、そうだが?」

ギロリ。

そう表現するのが正しいだろう。

鋭い視線を向けてきたので一瞬怯んでしまった。

警察としては何の進展も無い現状はよろしくないのだろう。
< 137 / 154 >

この作品をシェア

pagetop