死生系譜
「…あの事件に翔が関わってしまった…って言ったら信じます?」

皆の驚きが俺を射抜いた。

いきなり本題に入ったからだろう。

だが、この人に遠まわしに言っても逆効果なのは俺が一番良く知っている。


「……それは本当なのか?」

眉間に皺を寄せ、更に視線がキツくなった。

だが、俺はそれに耐え、負けないくらいの視線を返した。

「……今君たちが知っている事を教えて欲しい。話はそれから…だな」

テーブルに肘を乗せ指を絡ましそれで顎を支える形となり、再びあの目つきで睨んだ。

「…はい。始めに断っておきますが、俺らは独自に調べたので…合っているとは限りません」

俺は挑む様な目付きで恭平さんの目を見返した。

「それでも…今の警察より核心を突いてると思ってます」

恭平さんの眉が少し動いた気がした。

「気分を害されるかもしれませんが…最後まで聞いて下さい」
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