死生系譜
「そして、俺らは準備を万全にする為、現在はここに居ます」

全てを話すのにどれくらい掛かったかはわからない。

酷く喉が渇いている。

「そうか…そんな事に…」

先ほどの姿勢のまま、目線だけを下へと移し、悲しそうな声を上げた。

「出来れば、力、貸してくれませんか?」

恭平さんだって解決したい気持ちは一緒だ。

だが、警察ともなると大掛かりに動くには理由…証拠が必要だ。

それがこんな幽霊騒ぎなどなれば…。

確実に動けなくなる。

だから俺は出来れば、と言ったのだ。


「もちろんだとも。と、言いたいところだが…警察は動けないな。流石に」

「でも、私も頭にそれを入れておくよ。今の私じゃ力になれないとは思うけれども、ね」

俺の予想通りだ。確かにこの人なら信じてくれるとは思ったが、動けるとは思っていない…。
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