死生系譜
「…まぁ、警察が動くとは微塵も思っちゃいねぇよ。でもな?コイツらがどんな目に合うのか…それだけは知っとけ」

そういい、藤原は何かの資料らしきものをテーブルの上に置いた。

それを読み進むうちに恭平さんの表情は驚愕に染まっていく。

「そうだ、あんたら警察なんかそんなもんだろ?」

既に教師と言う立場を忘れてしまったのか口調がかなり荒くなってしまっている。

「…っ。否定出来ませんね、これは」

苦い表情でそう告げ、資料を丁寧に束ねテーブルに戻す。

「そういうこった。アンタらに協力してもらおうとはおもわねぇ」


「でもな。小村を…息子を助けてぇって思うんなら…俺らが協力しねぇ理由はねぇよ」

そう言って窓から外へ視線を移してしまった。

最後の藤原が言葉を発した時の表情はどこか優しい印象だった。
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