死生系譜
ふと、我に返ると既に女は消えており、瑠菜が俺の声に驚いていた。


俺がキレたところを見たのは初めてだからだろう。


もう一度、窓へと視線を向けた時に一瞬、血で文字が書かれていた気がした。




“ヤレルナラヤッテミセテヨ”



と…。

読み終えたと同時にそれは跡形も無く消えてしまったが。


それが最後に確認した物だった。それ以外は元通りに戻っており、夢だったのではないのか。と錯覚してしまい兼ねない。

だが、俺らはそんな希望に縋る様な事はしなかった。
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