死生系譜
俺はなんとなく教室へ戻る気にはなれず、屋上を目指していた






ナイフとかじゃ無いんだよな…

肉食獣の爪、か…

一体何なんだ?

何故そんな事をする?

可能性としては凶器が特定出来れば犯人が絞れてしまうのか…?

それとも、犯人はその爪だかになんらかの因縁じみた物でもあるのだろうか…


なにかしらの事件を親父から聞くとサッカー並にその事に集中しちゃう翔に影響されたかな。と思い苦笑するといつの間にか屋上に付いていた。

悪い癖だ…気になり始めるとその事に集中し過ぎちまう…俺もアイツと同じ性質なのかもな

屋上の扉を開け放ち、一歩踏み出すと同時に空を見上げる。何にも邪魔されない、大きな空が視界いっぱいに広がる

「良い天気だな…」

雲一つない。視界は青一色に染まっている。俺はここからの眺めが好きだ。この、何も無い空が…

昨日と同じ様に、前髪を多少揺らす程の風。気持ち良い。暑くなく、寒くも無い
< 19 / 154 >

この作品をシェア

pagetop