死生系譜
「そうなんだ…あれ、直美じゃない?」

ふと、恵子が視線を流した先にある者を見つけ、固まった

俺もその視線の先を辿ってみるとゲームセンターの入り口の方をフラフラと横切る影を見付けた

数瞬、考えてしまったが、それがクラスの橘直美だと理解した

「あぁ、本当だ。どうしたんだ?アイツ」

直美は恵子の親友と呼べる人物であり、俺も仲が良い。俗に言う優等生というヤツだ

「直美~!」

傍から見ても彼女の様子が変だった為、恵子が名前を呼びつつ走って行った

「ぉぃ。ったく…待てよ!」

黙っていても仕方が無いので、俺は荷物を全て持ち恵子の後を追う事にした…





< 28 / 154 >

この作品をシェア

pagetop